新型コロナウイルスで困っている在留外国人が利用できる生活支援とは?①

2021年3月22日

日本に住む外国人の方の中には、新型コロナウイルスの影響で仕事や生活の状況が変わり困っている方がいらっしゃると思います。そんな外国人の方が利用できる国の制度(=仕組み)があります。

しかし、「どんな制度があるのか分からない、自分が対象になるのかよく分からない、制度の内容が難しくてよく分からない、どこに聞けばいいかよく分からない」といった悩みをもっている方も多いと思います。

そこで、ご自分があてはまる利用できる支援があるのか?どんな内容なのかを知っていただくために、2回にわけてやさしい日本語でそれぞれの支援の内容を紹介します。

1回目の記事では【お金を借りることができる、もらえる制度】を5つ紹介します。ご自身や大切な人の生活を守るために、内容をよく理解したうえで、利用できる制度はないか、読んでみてくださいね。

1.収入が少なくなった世帯への制度

制度1

1つ目は、新型コロナウイルスの影響で仕事が休みになるなど、収入が少なくなった世帯への制度です。世帯とは「同じ家で生活のためのお金を一緒に使っている家族」のことです。

制度は次の2つありますが、緊急小口資金は「主に仕事が休みになり収入が少なくなった人向け」、総合支援資金は「主に仕事がなくなり収入が少なくなった人向け」です。ただ、仕事を続けている人も新型コロナウイルスの影響で収入が少なくなったときは、借りることができるので確認してみてください。

制度緊急小口資金
(きんきゅうこぐちしきん)
総合支援資金
(そうごうしえんききん)
内容すぐにお金が必要な人が借りられます。2年以内に返してください。(借りてからお金を返し始めるのは1年後でいいです。)しばらくの間お金が必要な人が借りられます。10年以内に返してください。
(借りてからお金を返し始めるのは1年後でいいです。)
借りることができるお金・子どもの学校などが休みになった人、個人で仕事をしている人など:20万円まで
・その他の人:10万円まで
・2人以上の世帯:月20万円まで
・1人の世帯  :月15万円まで
※借りることができる期間は、特別なことがない場合、3か月まで。
申し込み方法住んでいる市区町村の社会福祉協議会からできます。※郵便でもできます。左と同じ。
問い合わせコールセンター 0120-46-1999(毎日午前9時~午後9時まで)左と同じ。

※スマートフォンで見る場合は、表を横にスクロールしてみることができます。

「緊急小口資金」、「総合支援資金」ともに、利子はゼロです。保証人(借りる人がお金を返すことができないときに、代わりに返すと約束する人)はいりません。

はじめに「緊急小口資金」を借りたあと、まだ収入が減ったままのとき、さらに「総合支援資金」を借りることができます。

お金を返すとき、まだ収入が減ったままの「住民税非課税世帯」(=収入が少なくて住民税がゼロになる世帯)の人は、お金を返さなくてもいいです。

この条件での申し込み期限は、3月末までなので、気をつけてください。

下の厚生労働省のホームページで、詳しく内容を確認できます。動画や他の言語のページもあります。
https://corona-support.mhlw.go.jp/seikatsufukushi/index.html

2.住居を失う心配がある人への制度

制度2

2つ目は、仕事をやめた、休みになったなどにより、収入が減り、住居を失う心配がある人への制度です。

制度住居確保給付金の対象範囲の拡大
(じゅうきょかくほきゅうふきんのたいしょうはんいのかくだい)
もらうことができる人・2年以内に仕事をやめて収入が減った人。
・仕事をやめて収入が減った人と同じ様子の人。
(仕事をやめてなくても、仕事が休みになり収入が減ったなど)
・その他、世帯の収入合計額が基準額以下であるか、世帯の預貯金合計額が自治体で定める額以下であるか、など住んでいる町によって条件が変わるため、自立相談支援機関やコールセンターに相談してください。
もらうことができるお金(東京都特別区の人のとき)※住んでいるところでお金は変わります
1人世帯:53,700円、2人世帯:64,000円、3人世帯:69,800円
もらうことができる期間3か月間
※仕事を探すことをまじめにしている人は、さらに3か月長くすることができます。
申し込み方法住んでいる市町村の自立相談支援機関に相談してください。
問い合わせコールセンター 0120-23-5572(毎日午前9時~午後9時まで)

この条件での申し込み期限は、3月末までなので、気をつけてください。

下の厚生労働省のホームページで、詳しく内容を確認できます。動画や他の言語のページもあります。
https://corona-support.mhlw.go.jp/jukyokakuhokyufukin/index.html

3.収入が少ないひとり親を助ける制度

制度3

3つ目は、収入が少ないひとり親を助ける制度です。ひとり親とは「離婚などが理由で、1人で18歳までの子ども育てている人」のことです。

制度低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金
(ていしょとくのひとりおやせたいのりんじとくべつきゅうふきん)
もらうことができる人下の3つのうち1つでも当てはまる人。
① 2020年6月分の児童扶養手当をもらっている人。
② 年金をもらっていることなどのために、児童扶養手当をもらっていない人。
新型コロナウイルスの影響で、児童扶養手当をもらっている人と同じくらいの収入になった人。
もらうことができるお金・18歳までの子どもが1人いる人:10万円
・18歳までの子どもが2人以上いる人:
10万円に、2人目から1人あたり6万円をたしたお金
※上に書いているお金は再支給分をたしたものです。
問い合わせコールセンター 0120-400-903(午前9時~午後6時まで。土曜日・日曜日・祝日は電話できません。)

児童扶養手当とは「離婚などが理由で、1人で18歳までの子どもを育てている人や、障害があって20歳になっていない子どもを育てている人がもらうことができるお金」です。

「もらうことができる人」に書いてある①か②に当てはまる人で、新型コロナウイルスの影響でとても収入が少なくなったことを役所に伝えた人は「もらうことができるお金」で書いたお金に5万円をたしたお金をもらうことができます。

詳しいことはコールセンターへ電話してください。

下の厚生労働省のホームページで、詳しく内容を確認できます。他の言語のページもあります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11456.html

4.学校に払うお金に困った学生を助ける制度

制度4

4つ目は、学校に払うお金に困った学生を助ける制度です。学校の授業料が安くなったり、奨学金をもらったり、借りたりすることができます。

制度高等教育修学支援
(こうとうきょういくしゅうがくしえん)
もらったり、借りたりすることができる人学校に払うお金に困っている人で、
・在留資格が「特別永住者」、「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」の人。
・「定住者」の人でずっと日本に住みたいと思っている人。
※これ以外の在留資格の留学生には、奨学金制度を通じて生活を助ける仕組みがあります。
申し込み方法奨学金相談センターや学校に相談してください。

下の文部科学省のホームページで、詳しく内容を確認できます。英語のページもあります。
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/1420041_00003.htm

5.最低レベルの生活を保障し自立を助ける制度

制度5

5つ目は、最低レベルの生活を守り、自分で生活ができるように助ける制度です。今の収入に応じて、生活するお金や、上限はありますが、家を借りるためのお金などをもらうことができます。

制度生活保護
(せいかつほご)
生活保護を受けることができる在留資格永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、特別永住者、難民認定された人など
生活保護を受けることができる人すぐに使うことができる資産がないか、仕事ができないほど、生活するお金がたりない人。
申し込み方法住んでいる街の福祉事務所に相談してください。

生活保護を受けているあいだ、ケースワーカーが1年に数回、あなたの家に行きます。ケースワーカーの話を聞いてください。

下の厚生労働省のホームページで、詳しく内容を確認できます。他の言語のページもあります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html

以上になります。
色々な制度がありますが、これらの情報が困っている日本に住む外国人の方に届き、少しでも負担が減る助けになるとうれしいです。次回は【払うお金が少なくなる、待ってもらえる制度】についてご紹介します。

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